Drug therapy 薬物療法

薬物療法とは

脳の活動は、脳内ホルモンという複数の物質により調整されています。さまざまな理由でそれらの物質のバランスが乱れると心の病気を発病しますが、薬はそれらの脳内物質のバランスを整えるためのものです。当院では、合理的かつ安全な薬物療法が提供できるよう努めています。

当院における薬物療法の方針

  • 単剤処方
    シンプルで分かりやすい処方を目指します。不要な薬物が処方されていないか常に処方を確認し、同じグループの薬剤はできるだけ1種類しか使わないようにします。
  • 最新の薬物療法を提供
    当院では、本邦で発売されている新規精神疾患治療薬を取り揃え、共同意思決定などを取り入れながら患者さんのニーズを満たす処方に近づける工夫をしています。
  • 副作用を最小限に
    一人ひとりの疾患や症状に合わせ、最大限の効果が得られ、かつ副作用を最小限にとどめる最適な処方を目指します。

服薬指導・薬物療法に対する薬剤師の関わり

薬物療法は治療の基本であり、患者さんの生活の質や今後の人生を大きく左右するため、安全で効率的な薬物療法の実施が必要です。
当院では、患者さんが安心して薬物治療を受けていただけるよう、薬の効果、飲み方、副作用、飲み合わせ、疾患と服薬の意義などの内容を薬剤師が患者さんに説明している他、飲み忘れ時の対処方法や薬の管理方法を一緒に考えています。
また、なるべく病棟内に薬剤師を配置し、医師や多職種スタッフと連携をとりながら、副作用の防止や早期発見、処方への助言などを行い、患者さんにより良い治療を受けていただけるよう努めています。

当院の薬剤課の取り組み

退院時薬物サマリーの作成

薬剤師が入院患者さんとの関わりの中で得た情報を、退院後の医療機関に提供しています。入院中に患者さんから得た薬に関する基本情報(アレルギー歴、禁忌歴、副作用歴など)、入院中の治療経過、患者さんの服薬状況、薬の管理情報、退院先への申し送り、検査値などを記載しています。

薬の自己管理について

薬の飲み忘れ、紛失、過量服薬の危険性など様々な理由により、多くの精神科病院では、入院患者さんの薬はスタッフに管理されているのが現状です。早期の退院支援が必要とされる現在、退院後の服薬管理については入院中から手厚い支援を行う必要があります。薬剤課では、様々な管理方法を用いて、患者さんが主体性を持って行動する力を高めるための支援を整備しています。